イクメンはオワコンだが、父親支援は終わらない。

イクメンはオワコンだが、父親支援は終わらない。

「イクメンなんて言われたくない」。と言うパパは、イクメンブーム(2010~11)の頃からたくさん居た。普通に「親をしている」人からすれば、イクメンは妙な呼称なのだ。
最近Twitterの「パパアカウント」さん達の発言を見ていても頼もしい限りだ。

10年くらい前イクメンブームの頃は、講演先でパパたちからリアルに聴く悩み、胸の内は「子どもとどう向き合っていいか分からない」「子どもに『ママがいい~
』って言われて凹んでます」「絵本は何を読めばいいんですか?」「父親らしい育児ってあるんですか?」など初歩的だった記憶があるが、最近はもうそこは超えている気がする。

「育休の期間はどれくらいがいいのか?」「家事の生産性を上げるには?」「妻とのパートナーシップはどう築けばいいでしょうか?」などがいま30代くらいのパパたちの声なのだ。

「FJはパパにオムツの換え方や絵本の読み方を教えている団体ではありません」とよく広報してきた。確かに15年前はそういう基本的な父親の作業についても触れていたが、今に至っては父親たちのニーズの変化から「まずは働き方を変えよう」「ママとの会話時間を増やそう」「男性も産休取れるの知ってる?」と入る講演も増えたのだ。

つまり初歩の意識改革を目的とした「イクメン支援」はもう「オワコン(終わっているコンテンツ)」なのだ。とまれ保守的な地方では「イクメンデビューしよう!」なんて講演会に呼ばれることがあり、「え?まだそのフェーズですか?」と面食らうことはある。ただ講演後に実際パパたちの話を聴くと、悩みのレベルは温度差あるがやはりアップデートしている気がする。「育児やるか・やらないか」は超えて、「育児やるのが当たり前」「その先を教えて欲しい」になっているのだ。

しかし、父親の課題はまだ多い。育休問題しかり、両立しかり。育児はやるが家事をほとんどやらない夫はまだ多い。自分だってコロナ禍で料理にハマってその面白さにようやく目覚めたくらいだ。加えて思春期問題もあるし、不安な時代を生きることになる子どもの教育や自律問題も揺れている。これから親の介護も来るだろう(ケアメン)。また、「人生100年時代」なので、「ライフデザインの見直し方」「ライフシフトの方法を教えて欲しい」なんて言われることもある。

このように父親支援のテーマはここ10年で増え続け、その枝葉は拡がるばかりだ。つまり父親支援事業はまだ終わっていないということ。まだ視えていない課題も探しつつ、FJがやることはたくさんあるのだ。