異次元の少子化対策に欠けているもの

4/17は永田町の議員会館で開催された「こどもまんなか政策を応援する集会」に参加。団長を務めるにっぽん子育て応援団は主催4団体の一つだからだ。

集会の前半は、前首相→こども家庭庁の副大臣→与野党子ども政策担当議員らがスピーチ。後半は、子育て当事者や支援団体からのアピールや提案が相次ぎ出された。

ハイライトは福島・二本松市から来てくれたママさん2人のアピール。「母親は日々、育児・仕事・家事に追われ疲れている。母親が元気であれば子どもたちの笑顔になる。どうか私たちの心や体を大切にしてください!」と訴えたこと。

これは産後に限らず、その後もいかに母親に負担がかかっているかを表す、多くの全国のママたちのマインドを代弁する心の叫びだった。叫んだ先にいるのは家事育児にコミットして来なかった夫や男性の経営者・政治家らだと思う。

政府の「異次元の少子化対策」でもそうだが、「子どもが生まれにくいのは子育てにお金がかかり過ぎることが要因で、だから財源を確保して切れ目のない手厚い支援をするのだ」と集会に登壇した議員は繰り返した。男性育休に触れる方もいたが、なぜか既視感(トートロジー)が強く、物足りなさをずっと感じていた。

そりゃ子育てにおいてお金は大事だよ(困難を抱えた子育て家庭には真っ先に)。最低限の暮らしは必要だ。ただお金さえあれば、お腹がいっぱいにさえなれば、子どもの心は幸せなのだろうか?日本の子どもの精神的幸福度は欧米のそれと比べても低いのはなぜなのか?

そうこの議論には何かが欠落している。それは現在進行中の選挙でも候補者の口からほとんど聞かない「ジェンダー政策の推進」なのだ。

で、集会の「閉会の言葉」で僕はこう述べた。

「国際NGOセーブ・ザ・チルドレンによれば、母親のQOL(生活の質)と子どものそれとの間には相関関係があるという。母親の健康や教育、また経済的・政治的機会を与えられているかどうかが、子どもたちの命と生活の質に密接に関わるのだそうだ。ユニセフが2013年に公表した『子どもの幸福度調査』で、オランダは首位だったが、“子どもが世界一幸せな国”オランダは母親たちの幸福度も総じて高いのだ」と、二本松市のママたちの訴えをリピートしながらそう述べ、続ける。

「日本は果たしてそうなっているのだろうか?自分は25年前にパパになったときからその問題意識を持ち、ジェンダー政策と男性育児が同時に進むヨーロッパの手法を学んで2006年ファザーリングジャパンを立ち上げた。FJはオムツの替え方や絵本の読み聞かせだけをパパたちに教える団体ではない。大事なのは働き方を変えて育児時間をつくること、そして最も大切なのはパートナーであるママをケアして認めて笑顔(^^)にすることだ、と日本中の父親たちに伝えてきた」。

「母親そして父親も、子どもたちにとっては生きるお手本だ。その手本が幸せでなくて、どうやって子どもたちは『幸せ』について学ぶことができるのだろうか」と。

これはオランダの母親が述べた言葉の引用だったが、二本松市のお母さん達もきっとこう言いたかったに違いないと思うのだ。

「少子化は静かなる女性の抵抗とも言える。だから出生地の下げ止まりを目指すなら国や自治体はもっと女性政策を進め、父親たちのためにも、そして『こどもまんなか』のためにも、ジェンダー政策も併せて、異次元で進めて欲しい。そして、こども家庭庁には、『母親・父親の幸福度調査』を毎年やって結果を公表してもらいたい」と注文もつけておいた。

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