タイガーマスク基金が満10周年!

12月3日で、NPO法人タイガーマスク基金 は、法人設立から満10周年を迎えました。事業を開始した 2012 年からこれまでに、のべ 1048 名の学生に総額 8620 万円を届けることができました🐅これもひとえに会員や進学サポーターの皆さん、通常の寄付やタイガー自販機やタイガーギフト、タイガーLINEスランプ、クラウドファンディングなど様々な支援の形で子どもたちを応援していただいた皆さんのおかげです。本当にありがとうございます!

思い返せばもともとファザーリング・ジャパンの一事業として児童養護施設の子どもたちへの支援活動をパパ達としていたのですが、2010年に「児童養護施設にランドセルが贈られる」というニュースがTVに流れ話題になり、それを視た故・梶原一騎先生の奥様 高森 篤子さん(写真)が「これは夫からの啓示。私も何か出来ないか」と漫画『タイガーマスク』の出版社に相談したのがキッカケでした。

偶然にもその会社の社員にFJのパパがいて繋がることができ⇒その夜僕は梶原邸に飛び⇒基金の自立支援に関する事業内容を夫人にプレゼン⇒じーっと腕組みして聴いてくれた夫人が「分かった。あんた達に任せるから」と言っていただき、「タイガーマスク」の名前をお借りすることができ(←この時は飛び上がるほどうれしかった。この名前が使えてどれほど説明がラクだったか)、その後生まれたのがタイガーマスク基金です。(その後、FJからスピンアウトして独立法人に)

🐯ここで改めてタイガーマスク基金の活動についての説明と皆様へのお願いをいたします。

★タイガーが解決しようとしている社会課題の現状について

  • 様々な事情で家族と離れ、児童養護施設などの社会的養護の下で暮らす子どもたちは、日本に約 4 万 2千人もいる。
  • 児童福祉法で 18 歳までは施設や里親家庭で暮らすことができるが、高校卒業と同時に多くの子どもたちが、たったひとりで社会に巣立っていく。
  • 10 代後半の若者たちが衣食住の全てを自分で工面することは、私たちが想像する以上に大変なことがあり、学力があっても進学を断念している子どもが多くいる。
  • 特に、児童養護施設の子どもたちの大学等への進学率は 17.8%と、全高卒者の 52.7%に比べて圧倒的に低い。
  • そもそも日本は OECD 加盟国の中で、GDP に占める教育費の割合が最も低い下位 25%の国に入るのに、国公立の授業料は OECD 加盟国および地域の中で 5 番目に高い。
  • 教育費の公的支出が低いということは、私的負担、つまり親の収入に左右されていることになり、親に頼ることができない社会的養護の子どもたちの進学の機会が奪われているという現状がある。
  • タイガーでは施設で暮らした当事者の皆さんや施設の職員・支援者の方がにもインタビュー取材をし現状と課題を語っていただきました(HPのタイガーインタビューのページを参照)

★具体的な活動内容について

  • 大学が全てではないが、大卒資格や専門分野の学びが、その後の人生の選択肢を増やすことにつながると考え、児童養護施設や自立援助ホームなどの社会的養護の施設から四年制大学に進学した学生に返済不要の支援金を届けている。
  • 金額は 4 年間で 30 万円と多くはないが、成績で数名を選抜するのではなく、一人でも多くの学生に支援を届けることをモットーにしている。(書類選考と作文の審査はあるが、保証人不要、高校時代の成績は不問)
  • 使途を入学金や授業料に限定していないため、他の奨学金ではカバーできないパソコンやスマートフォンの購入、資格取得の費用、実習や就職活動の交通費、スーツやカバンの購入等にも充当することができる。

★対象地域および対象者

  • 日本国内の児童養護施設や自立援助ホームなどの社会的養護の施設の出身大学生。
  • 自治体や企業の奨学金など、出身地域を限定される場合もあるが、どこで生まれるか、どこで保護されるか、どの施設で暮らすか、子どもたちが選ぶことができなかったことで、支援に差がつかないよう、日本国内全ての施設を対象としている。

★寄付金はどのように使われるか?

  • 寄付金や助成金収入の 8 割は学生たちにそのまま支援金として届けている。
  • 事業を開始した 2012 年からこれまでに、のべ 1048 名の学生に総額 8620 万円を届けることができた🐅

★個人や企業からはどのような支援・関わり方が可能か

  • 学生の入学から卒業までの 4 年間を見守る進学サポーターとして関わることができる。
  • 支援の金額は毎月一口千円から選ぶことができる。
  • 学生から年に一度、近況報告が届き、それに対して「励ましのお便り」を、タイガーマスク基金経由で送ることができる。
  • 学生やサポーターの個人情報を守るため、お互いの住所も名前も知らせないようにしているが、サポーターから届くメッセージは、学生たちにとって「どこかで誰かが自分のことを応援してくれている」という大きな励ましになっている。

以上です。お読みになって「自分も(わが社も)何かしたい」という方はぜひHPをご覧ください。

そしてコロナ禍で元々、薄氷を踏むような不安定な生活を送っていた学生たちが、新型コロナの感染拡大によりアルバイトができなくなり、更なる生活困難に陥りました。
そんな折、学生たちのためにと支援をお寄せくださった方々や国からの給付金をそのままご寄付くださった方もおられ、これまで経験したことがない社会不安が広がる中においても子どもたち・学生たちのことを想ってくださる皆さまのお気持ちに深く感謝申し上げます。

しかし現在も、緊迫した国際情勢や急速に進む円安により、食費や光熱費の値上げラッシュにより、学生たちの困難は続いています。
生まれや育ちに関わらず、学びたいという子どもたちが進学を選択できる社会となるよう、この課題を発信し続けて参りますので、引き続きのご理解&ご支援をお願い申し上げます!

NPO法人タイガーマスク基金 代表理事 安藤 哲也🐅