TAKIBIでツケ払い始めます!

知っている人も多いと思うが、読書を取り巻く環境の変化は激しく、いま「1カ月に一冊も本を読まない人」は増加し、全体の過半数を占めているのだ。

Q)1か月の読書量は?
1~2冊:33.5%
3-4冊:8.9%
5冊以上:6.1%
0冊:51.5%
出典:読書世論調査[2020年](朝日新聞社)

私は本屋だし「5冊以上」だが社会全体はこうなのだ。つまり本を読む人はそこそこ読むが、読まない人はまったく読まない。二極化。どの世代でも起きていると思う。

ひと昔前まであった「ミリオンセラー」は今はまずない。あれは普段本を読まない人まで買うからミリオンセラーになるのだけれど今はない。以前あった民放TVでベストセラーを紹介する情報番組もない。

TAKIBIのレジから毎日お客を診ていても感じる。読む人はちゃんと「本を探している」が、読まないのだろう的な人は「棚貸し本屋」の意味すら分からず目線は浮遊。「ここには私の気に入るものは何もない」と判断しサッサと店を出ていくのだ(何もないのはお前さんの頭の中だ)。

それにこの物価高だ。誰しもが生活防衛で無駄遣いをしなくなっている。当然、新刊書の値上がりも凄まじいから、比較的これまで本を読んできた人の購買冊数も減っていると思う。読書量が落ちないのはたぶん図書館を使っているんだろう。子育て家庭も絵本を図書館で借りまくり、書店で新刊絵本を定価で買う人は稀になっているのでは?

だから新刊を扱う「個性派書店」もそれなりの本を仕入れてもほとんど売れないんじゃないだろうか、「お!これは」と思って仕入れた3冊も平積みで売れて1冊だろう。

新刊点数が増えれば返品のサイクルは早まる。いわゆる自転車操業だ。価格が上がれば仕入れ総額も上がる。売上と返品金額が仕入額(+人件費・光熱費その他)を上回れば経営は成り立つが、逆ザヤになれば破綻する。いま経営がひっ迫している新刊書店は多いだろう。
これでいいのだろうか?

「原価が上がっているから仕方ない」と無闇に版元は新刊の価格を上げてきているが、書店は商売が成り立たず結局、本が届きづらく、また可処分所得が減っている読者にとっては高価な新刊本が「贅沢品」になってますます本離れを加速していると思う。

読書量の低下は出版文化の衰退を招き▷知性の欠如を生み▷深刻な社会問題が増える始まりだ。「図書館が買ってくれればいい」って言う人もいるけど、そうじゃないだろう?
経済のせいだけではないと思う。これまで業界が読者を育てる努力を本気でしてこなかったツケが回ってきているのだ。物価高とともに。

だから、TAKIBIで新しいサービスを始めよう。
「ツケ払い」です。

条件は以下。

  1. 子ども(20歳未満)または学生に限る
  2. 本やコミックやレコードを買って行った人のみ(雑貨はNG)
  3. ツケは台帳に¥金額を記入(住所・氏名・連絡先も)してもらう

(注1)学生は何歳でもOKだが学生証を確認させてもらう
(注2)子どもの保護者は店主・安藤の知人に限る(店主不在の場合、SNS等で友達になっていることなどを確認させてもらう)

以上です。

「いつかやりたいぜ~」と考えていたけど、9月から始めます。

さあ、どれくらいの若者が使うか楽しみだ。

自分は本屋でツケ払いの経験はないけど食堂はあったかな?貧乏学生のミカタみたいな食堂。いまはあるのか?

「ツケ払いが利く本屋🔥TAKIBI」

いつまで続けるかは分からないけど、本好きの若者が集まる場として機能すればいい。
またその子らが育って社会で活躍し、いつの日か、「いまの私があるのはTAKIBIさんのおかげ」と言ってもらえるよう踏ん張ります🍀

結局さ、文化の伝承&人材育成しかないんだよ、大人がやることは😎